スイフトスポーツ
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渡辺 洋幸 (スズキJWRCエンジン部門/チーフエンジニア)
【ターボ化された新型スイフトスポーツ[ZC33S]登場】
-そして今ZC33型がついに登場して、たくさんの方が乗り始めていますけれど、渡辺さんはこれからZC33のエンジンは、どうやってチューニングして行こうと考えていますか?

「今まではNAのチューニングって、どうしてもお金がかかるんです。エンジンをバラしたり、カムを変えたりとか、色んな事をしないとNAは性能が出しにくい。
ターボはランサーだとかGT-Rだとか、色んなエンジンをやっていく中で性能を抑えられているものを、ちょっと改良してあげるだけで、すごくパワーが出しやすい。
今のZC33がカタログスペックで140馬力。 実際測ってみると150馬力位出ているんです。
最初に乗った時に、車が軽いのは分かっていたのだけれど、乗ったらあれ?ずいぶん走るなと。
性能が150馬力位出るから、カタログ値って150馬力だったのかと勘違いして、うちのスタッフに150馬力だったっけ?と聞いたら、 140馬力ですよ。と
これカタログより出ているね。と
そこから始まって、色んな元々装着されている部品を開発するにあたって最初のエンジンの様子を見れば何をして行こうというのが想像出来るけれど、 まずは140~150馬力を170~180馬力に上げて行くには何をしたら良いのかというのは、ほとんど構想があって。」

-ちょっと教えてもらえませんか?

「この辺に付いているカタツムリと吸気系と、コンピューターのセッティングである程度出来るかなと。実際あの車は結構すごくて、インタークーラーが結構大きな物が付いていて、 吸気系はちょっと寂しいので、吸気系は改良する。
ターボチャージャーもすごく小さな物が付いています。限界の性能はターボ付きのエンジン場合、ターボチャージャーのサイズで決まってしまうので、 まずはそこは当然見直さなければいけない部分です。
今まではNAのバランスの良いスポーツカー的な車が出ていたのは嬉しかったのだけど、やっぱりまだ物足りない。
そのクラスの中で言ったら「よく走る車だね」で済んだけれど、今度のやつはターボが付いて、さらに車がワイド化しているにもかかわらず、車が軽くなっている。
パワーが上がってトルクがチューニングカー並み。カタログスペックでも23kg・m。実際我々が測ると25kg・m近く出ている。
これはそのまま乗っても、今まで我々が「ZC31/32」をチューニングした車にも勝るとも劣らないスペックで出て来ましたので、このシャシ性能とエンジン性能をさらに上げる事をすると、 若い子でチューニング経験がない人でも、ちゃんとチューニングすれば安定したパワーが出せる。そういった部品を今開発していますから、是非期待しておいて欲しい。」












【新型スイフトスポーツ ZC33Sのモータースポーツに対する適正】
-多分これからモータースポーツの競技にもZC33がどんどん出て来ると思うのですけれど、 86と比べてどっちが速いんですか?

「86の人達はちょっと気を付けないといけないのが、なんだスイフトだと思って横に並んでゼロ発進したんだけれど、先に行かれて追いつけないという事が多分起きます。
小さなコンパクトカーで、ああいうハイパワーな車っていうのは、少し前だとスターレットのEPターボみたいな感じの 車のシャシ性能は良くなったからじゃじゃ馬感は無いとしても、すごくバランスの取れた良い車だと思います。」

-乗ってみても実際質感が高いから、デートカーとしても使えるし、もちろんお買い物にも使えるし、走ると速いと。

「燃費も良いと」

-言う事ないじゃないですか。あとは自分好みにチューニングして行けば良いと。競技だとミニサーキット、ラリー、ダートラ、ジムカーナ、どれに向いているんですか?

「車が軽くてあのトルクが出ているから、どのカテゴリーでも、それなりの所に行っちゃうんじゃないかな?」

-早速コンプリートカーを作られましたね?それは行けるから?

「モータースポーツって古い車か最先端の「それ競技車にしちゃうの?」という位の高級車をすごいお金をかけて、当時僕らがAE86とかのクラスでラリーとかダートラをやっている時も 勝つには車1台分、もしくは3台分くらいお金かけなきゃって言っていた時代から考えるとインプレッサ、ランサー 300万~400万する車の3倍って言ったら1000万円クラス、誰が用意出来ますか?」

-そのクラスだと、タイヤ代だけで大変ですよ。

「一番大変だったのは、「タイヤが減る」「ガソリンが減る」維持費が凄くて、さらにぶつけたり、落っこちちゃったりしたら、どうしようって悩んでいたのが、 あのクラスの車でやったら、とんでもない事で。
ようやく昔の感覚で勝てそうな車が出てきたっていうのは、すごく楽しみです。」

-これまでHT81、ZC31、ZC32、M型エンジンを搭載したスイフトスポーツに乗っている方、もちろんそれはそれで素晴らしい車だし、ZC33これは期待以上の出来と考えていいですか?

「その通りです。」

-ますます面白くなりそうですね。

「我々もいま全開で会社を挙げて開発していますので、これからの我々の動き、パーツ、開発 期待していて下さい。」














新型スイフトスポーツZC33S のエンジン開発も鋭意進行中!お楽しみに!

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