公式レポートと一味違った視点から見たラリー旅行記。
ラリーレポートだけではお伝えしきれない、ラリーの現場の楽しさ、興奮、景色の美しさなどを、随行したスタッフが旅情たっぷりにお届けします。
ラリーはしばしば観光地として有名なところを拠点にロング・ドライブする競技。
実際に観戦に行った気分で、ラリー観光をお楽しみください!>

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Rd.5 ラリー・ドイチェランド
 
まずトリーア市内散策の写真から。
ここは町の中心のハウプトマルクト広場。
町の守護聖人、聖ペテロの像を戴いた噴水があります。
広場を囲むように、ロマネスク、ゴシック、バロックなど、様々な建築様式の建物が並んでいて見飽きません。
 
 
同じくハウプトマルクト広場より。
上の写真の左下のほうと、この写真の右手側に、見える屋台はワインスタンドです。
これらの屋台では、初夏から晩秋にかけて、近郊のワイナリーがフレッシュなワインを提供しています。
1杯1〜2ユーロという低価格でモーゼル、ザール、ルーヴァーといった名産地のワインが飲めるので、ワイン好きには見逃せません!
 
 
こっちはいかにもアルプス以北の建物らしい、ファッハヴェルクハウザー(Fachwerkhauser、直訳すると“木組みの家”)。赤茶色に塗られた梁が模様みたいです。
この建物の下のトンネルのような通路はユーデンプフォルテ(Judenpforte、直訳すると“ユダヤ人の門”)といい、中世からのユダヤ人街の名残を示しています。
 
 
これはユーデンガッセ(Judengasse、直訳するとユダヤ人の小道)。
アーケードのような感じで、両側の壁の中に住居が並んでいます。
13世紀前半に立てられ、14世紀には60戸以上の住居と礼拝所でにぎわっていたそうですが、15世紀前半のユダヤ人追放で、一旦は廃墟となりました。
17世紀初頭のルネッサンスの中で再建され今に至っています。
 
 
広場からポルタ・ニグラに向かう大通り沿いの建物です。
窓辺に飾られた花が綺麗!下の窓のシェードが右に行くにつれて大きく開いているのはなぜなのでしょう…?
 
 
ここからはレッキ(ラリー前の下見走行)のときに撮影した写真をご紹介します!
ここは、高速道路から市街中心部に入る分岐です。
都市国家の名残で、ヨーロッパの多くの道路は都市と何も無い部分と都市というのがくっきり分かれています。
制限速度が下がると町が近づいているのを実感します。
 
 
ずいぶん道幅が狭いし、路面も荒れています。
確かにターマックなのですが、壁のような断崖としたに向かって落ち込んでいる崖に挟まれてワイルドというかスリリングな雰囲気ですね。
ドイチェランドラリーの特徴である「多彩なターマック」というのが良く分かる写真です。
 
 
青い空の下、モーゼルの丘陵地帯を眺めながら気持ちよくドライブしてゆきます。
蛇行するモーゼル川を囲むような急勾配の斜面を覆う、太陽熱を蓄えやすい独特の土壌を耕して作った段々畑では、いわゆるモーゼルワインや、シュペートレーゼ、アウスラーゼ、アイスヴァインといった貴腐ワインの原料となるリースリング種の葡萄が栽培されています。

 
 

丘陵の葡萄畑の中の一本道。
道の両側のそこかしこにワイナリー(ドイツ語ではWeingutヴァイングート)があります。
小さなワイナリーが、決まった畑の葡萄を原料に丁寧に醸造したワインは、それぞれの葡萄畑、また醸造所ごとに違った個性を醸します。
モーゼルワイン特有の甘みとミネラルフレーバーは世界中のワインファンに愛されています。

 
 
途中で見かけたシンプルな家。
ここもワイン向けの葡萄農家でしょうか、緑色の幌付きの2輪の荷車が建物の色などとよくマッチしています。
 
 
これがLEG2でウルモ選手を悩ませた干草ロール。
一見のどかな風景ですが、実は罠でした…。
干草ロール自体は、日本でも北海道を旅すると目にすることがあると思います。
ちなみに干草ロールは英語でHay bale。Hayというのが干草です。このHayをRiceに変えてRice Baleとすると、「米俵」のことになります。
 
 
セレモニアルスタート後、ハウプトマルクト広場からシメオン通り(メインストリートで普段は歩行者天国です。)を抜けるスイフトスーパー1600。
沿道のみんなから注目されています!
ちなみに背後の建物は上のほうの市内散策のスナップの最後の1枚と同じ建物です。
 
 
さて、いよいよラリー本番です!
ここが今回のサービスパーク。
良い天気です。
蛍光グリーンのビブスを付けたスタッフが、あまりの暑さにアイスを食べながら仕事?をしています。
 
 
ラリードイチェランドのオフィシャルグッズなどの売店が並んでいます。
限定のグッズも多数あるので、観戦記念のお土産を買うには最適です。
チームウェアのレプリカなども人気で、いろいろなチームのものが出回っているのですが、大人がそうしたレプリカを着ていると本物のチームのスタッフと勘違いしそうになります。
 
 
サービスパークの一角に停められている何やら変わったトレーラー。
中でゲームが楽しめるようです。
 
 

こちらはおなじみのスズキのサービステントです。
青空を背景に、菜の花のようなスズキのイエローが映えて、綺麗なコントラストです。
遠くからでも目立つので、迷わないでたどり着けます。

 
 
上の写真の反対側からパチリ。
奥のほうに見える白いテントはJRCのケータリングテント。
ケータリングテントではJRCのスタッフが食事をしたり休憩を取ったり情報交換したりします。
 
 

車検待ちの1コマ。
ドライバーのウォーゼンクラフト選手と、コ・ドライバーのJ.アンダーソン選手です。
余裕そうに笑っていますが、初のJRC参戦ということで内心は緊張気味!?

 
 
車の下のトレーの中にはメカニックが使いやすいように厳選されたツールが揃っていて、するべき作業を迷わずに行えるようになっています。
 
 
下回り作業中のメカニック。真剣そのものの鋭い目つきです!
 
 
一方もう一人のメカニックは車内で作業中。
サービスで一台のマシンに触ることができるのはメカニック2名にドライバー、コドライバーを足した4名のみなので、メカニックは上手に分担しててきぱきと仕事をこなします。
 
 
ここからは、今回のドイチェランドラリーに併催されたクラシックカーのイベントのスナップをお届けします。
一枚目はドイツ車でメルセデス450SLC。
エアコン、パワステ、パワーウインドウ、オートマと言う豪華装備搭載のラリーカーです。
 
 
同じくドイツ車で、旧いラリーカーの定番、アウディクアトロクーペ。
1981年WRC第12戦ロンバードRACラリーの優勝車、No.5ハンヌ・ミッコラ(Dr.)、アルネ・ヘルツ(Co.)の本物マシンです!
 
 
マルティニレーシングのカラーリングがまぶしいランチアデルタ・インテグラーレHF。
これも旧いラリーカーの定番ですね。
華麗に干草ロールをパスしてきました。
 
  Travel Advice
 


個人でヨーロッパにモータースポーツの観戦に行くなんて、何だか難しそう…

そう思っている方って多いのではないでしょうか?でも、気の合う友人同士で行って、自分たちの好きなように動く旅は面白いものです。
今回は実践的なヒントとして、ラリードイチェランド観戦&観光旅行の一例(6泊8日)を考えてみました。

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旅行プラン
日付
旅程
宿泊
8/14(火)
【フライト】日本>(LH航空、直行便)
機中泊
8/15(水)
【フライト】>フランクフルト
【ドライブ】フランクフルト>コブレンツ

コブレンツ観光
コブレンツJH
8/16(木)
【ドライブ】コブレンツ>トリーア
トリーア観光、 WRCセレモニアルスタート
【ドライブ】トリーア>ブルッフ
ブルッフ古城H
8/17(金)
LEG1観戦、 周辺観光
8/18(
LEG2観戦、 周辺観光
8/19(
LEG3観戦、 表彰式見物
【ドライブ】トリーア>シュテーゲン
シュテーゲン
B&B
8/20(月)
【ドライブ】シュテーゲン>ルクセンブルク
ルクセンブルク旧市街観光、 
【フライト】ルクセンブルク>(LH航空、フランクフルト経由)
機中泊
8/21(火)
【フライト】>日本

火曜日の夜ルフトハンザ航空の直行便に乗って日本を発ち、水曜日の午前にフランクフルト空港着。予約してあるレンタカーを配車してもらい、とりあえず宿泊場所へ向かいましょう。

この日宿泊するのはコブレンツのユースホステルです。
このユースホステルはもともと城砦として建てられた建物で、上層部の窓からはライン川とモーゼル川の合流地点が一望できます。気になる宿泊料金は、オンライン予約で一人20ユーロ弱。

木曜日は午前中に翌日からのラリー観戦の拠点となるトリーア近郊のブルッフにある宿に移動します。トリーアの市街地は車での移動に不便なので、あえて外すのがポイント。ここで予約してあるのは古城を改装したホテルです。
二人で泊まれば一人一泊40ユーロ。ここに木・金・土と泊まります。

木曜は夕方までドイツ最古の歴史を誇るトリーアの町を散策。市内の中心部を外れたところの駐車場に車を置いて、徒歩で回ることをおススメします。まずチェックするのはセレモニアルスタートやゴールの舞台となる古代ローマ時代の城門、ポルタ・ニグラ。当時の防衛の砦でもあり、1階部分には窓が無く、屋上からはモーゼル渓谷とその対岸を見渡せます。
モーゼル河畔、リヨンーケルンを結ぶ道路とパリーマインツを結ぶ道路の交わる地点に位置するトリーアは、古代ローマ軍の駐屯拠点が置かれて以来、アルプス以北最大の商業の中心地として栄え、紀元3〜4世紀には人口7万人を擁する世界都市として知られていました。今でも街中には円形劇場や大浴場など、古代ローマ時代を偲ばせる遺跡が残っています。
おなかが空いたら町のお肉屋さんやパン屋さんへ。安くておいしい軽食にありつけます。広場のワインスタンドも魅力的です。
そうこうするうちに、夜はいよいよセレモニアルスタート!セレモニーをしっかり楽しみましょう。

金曜日のLeg1と土曜日のLeg2は、一日当たりSSとサービスを合計3個くらい組み合わせると丁度良いくらいです。リエゾンでラリーカーを見るのも観戦旅行のお楽しみの一つ!
ラリー最終日の日曜は午前中からトリーアのサービスパークへ。大型スクリーンで状況をチェックしながらゴールを待ちます。表彰式まで見ると、ラリー観戦を全うした、という満足感を味わえます。
あとは、旅行仲間や自分の気分しだいで、欲張って終日ラリーの追っかけをするもよし、観戦を休んで観光するのもまたよし。ぶらりとワイナリーを訪ねて日本であまり見かけないワインを格安で入手するのもこの地方の旅行の醍醐味です!ちなみに、街中の普通のスーパーでも、アイスワインやフェーダーヴァイサーが産地ならではの低価格で入手できます。

観戦を終えたら国境を越えてルクセンブルクに移動し、予約してある田舎町シュテーゲンの宿にチェックイン。

月曜の朝、ドライブを楽しみつつルクセンブルク市街地まで移動し、旧市街を散策します。ロマンチックな町並みを楽しんで、小国ならではの記念切手を買ったり絵葉書を出してみたりしつつ、夕方ルクセンブルク空港でレンタカーを返却し空の旅に出発。フランクフルト経由で帰国します。

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…いかがでしょうか?
旅行前に色々と調べると、訪れたい所、食べたい料理…がたくさん見つかると思います。
移動がすべてハイアベレージ区間になるようなスケジュールは無謀ですが、気になるところは少しぐらい無理をしても行ったほうが後悔しません。
貴方のオリジナルのラリー観戦旅行を楽しんでください!



 
 

 




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