公式レポートと一味違った視点から見たラリー旅行記。
ラリーレポートだけではお伝えしきれない、ラリーの現場の楽しさ、興奮、景色の美しさなどを、随行したスタッフが旅情たっぷりにお届けします。
ラリーはしばしば観光地として有名なところを拠点にロング・ドライブする競技。
実際に観戦に行った気分で、ラリー観光をお楽しみください!

最新イベントのDiaryはこちら>>

 
     
 
Rd.2 ラリー・ポルトガル
 
ポルトガルは地図を見ると左を向いた人の横顔みたいに見えます。顔にたとえると、ラリーポルトガルの舞台は丁度あごの下。ちなみに首都のリスボンは鼻の下辺りになります。
ポルトガル南部は地中海性気候に恵まれ、スペイン南部などとの同じで、比較的暖かく乾燥しています。ラリーカーが疾走する地面もかなり乾いています。
 
 
サービスパークの中の、スズキのサービスサイトです。手前を見ると、地面が未舗装でざらざらごつごつなのが分かります。テントを建てているところの下の地面も同じように未舗装。
ラリー会場を歩き回るには運動靴やスニーカーが最適です。
 
 

#45のアンダーソン選手のマシン。
まだ最初のころなのでビニールシートはあまり汚れていませんが…

 
 
SSを終えた後のサービスともなると、車の回りのビニールシートの上は土・砂だらけです!
それにしても、こんなに至近距離でラリーカーが見れるのだから、やっぱりサービスパークはラリー観戦では絶対外せません。
後ろに見える、お城みたいな屋根の白いテントはJRCのケータリングテントで、JRCのエントラントチームのメンバーが食事をしたり情報を得たり休んだりする場所です。
 
 
車両がアルガーブスタジアム前に整列させられています。
TVや雑誌の取材クルーが熱心にスイフトスーパー1600の外観やエンジンルームをチェックしていました。
 
 
上の写真と同じ場所で、今度はスタジアムが見えるようにズームアウトしてみます。スズキのイエローは鮮やかで、ここの空気や空の色によく似合っています。
 
 
ここはアルガーブスタジアムの中。SSSの舞台となる特設コースが敷設されています。
ポルトガルで一番人気のスポーツはサッカーで、ここはポルトガルでもかなり大きいサッカースタジアムなのですが、今やその芝生はアスファルトに覆われています。すごいことですね。
随所に、大会スポンサーであるVODAFONEのロゴが踊っています。

 
 
サービスパークを散歩してみましょう。
この辺はさながら新車展示会場のようです。
 
 
スイフトスポーツ発見!カラーリングがモータースポーツっぽいです。
 
 
こちらはSX4。未来のWRC参戦車両ということもあり、欧州での注目度も高い一台です。
 
 
ん?あれはもしかして…セグウェイ?
近づいてみましょう。
 
 
近づいてみました。
VODAFONEのキャンペーンの女の子たちでした。とってもキュート。
そして彼女たちの手元のハンドルをよく見ると、紛れもなく“SEGWAY”の文字が。
 
 
でも、一般的なサービスパーク内の乗り物といえば、やっぱりこれです、スクーター。
ちなみに欧州仕様車の50ccスクーター、“KATANA R”です。ワークスカラーがかっこいい!
各チームのスクーターを見比べるのも、カラーリングとか凝っていたりするので楽しいものです。
 
 
さて、マシンの下を覗いてみましょう。
メカニックが作業中です。
青いビニールシートの下には、あのごつごつした地面があるわけで、しかもそのシートの上も既に砂だらけ。
想像するだけで背中が痛くなってきそうですが、よく見ると一応マットを一枚敷いていますね。
 
 
サービスパークを観に来ているギャラリーの皆さんにフォーカス。とってもノリが良いです!
このノリのよさは、ラテン系各国に共通するところで、盛り上がるのが好きな人にはぜひ一度、スペインやイタリアでモータースポーツを観戦してみて欲しいなと思います。最高に雰囲気が高揚していて、とてもおススメです。
 
 
上の写真の左下の隅にひっそりタイヤが写っていますが、ここでクローズアップ。すごい状態です。特にタイヤ。
路面のラフさを物語ります。
でも、Speedlineのホイールは丈夫です。さすが!
 
 
カスタマーの#42 アイガー・パルス選手のマシンです。
トラブルやクラッシュで途中のSSをリタイアしても、その日のうちに3時間以内でマシンを修復できれば翌日出走できる、“スーパーラリー”という制度があるので一生懸命直しているところです。
車の引き上げがそもそも夜なので、作業しているこの時間、外は真っ暗。写真で見るとムーディですが、現場は真剣勝負!
 
 
最終日の朝の風景です。正面のテントはJRCのワンメイクタイヤであるBFGoodrichのタイヤサービスです。
JRC参戦車両は全車ここでタイヤのサービスを受けます。
 
 
BFGoodrichのタイヤサービステントの中はこんな感じです。きれいに黒光りしていてスピュー(いわゆる“ヒゲ”の正式名称です)さえ出ている新品タイヤの山と、ホイールに嵌める機械と、スタッフが数名。
 
 
すべてのステージを無事におえサービスに戻ってきたマシンをギャラリーが迎えてくれました。嬉しい風景です。
 
 
ここはメディアルーム、選手会見中です。
祝1位!!
そう、JRCは1位の選手だけが記者会見に臨むのです。
WRCだと1・2・3位の選手が記者会見します。
記者の皆さん、その場でパソコンで記事を書いています…忙しい!
 
 
ラリー会場は、ぶらぶら歩きまわるのが楽しい場所です。
例えばこんな車に出会います。
これは、ポルトガルの国家警察のPORSCHE356パトカー。
ポルトガルは結構いろんなメーカーの車両をパトカーに採用していて、例えばVWやルノーなども町でみかけます。
 
 
サービスパークの一角には往年のグループB車両が展示されていました。LANCIA STRATOS…何度見てもかっこいいです。無駄に研ぎ澄まされた、とんがったフォルムや内部のメカに、思わずぐっと来るファンは今でも多いのです。黄色いホイールが“あの頃”っぽくて良いですね。
 
 
同じところに展示されていた、PEUGEOT205TURBO。
形こそ普通のハッチバックですが、中身は…。でも当時の並み居るモンスターの中では比較的優等生的な、バランスのよいマシンでした。今でも名車との呼び声高いマシンです。
その奥はAudiクアトロですね。
 
 
ラリー会場以外の写真もご紹介しましょう。
ここはチームのホテル。手前の駐車場にたたずんでいるのは、そう、スイフトです。
ホテルのかわいらしい外観や、足元の石畳とあまりにもなじんでいるので思わず撮影してしまいました。
 
 
実はこのスイフト、欧州仕様車で、ディーゼルエンジン搭載なんです。ヨーロッパは本当にディーゼルが普及していて、レンタカーも、小型車以上のクラスだとしばしばディーゼルが渡されます(ガソリンより軽油が高価で滅入ったりします…)。
 
  Travel Advice
 

個人でヨーロッパにモータースポーツの観戦に行くなんて、何だか難しそう…
そう思っている方って多いのではないでしょうか?でも、気の合う友人同士で行って、自分たちの好きなように動く旅は面白いものです。
ぜひその楽しさを体験して欲しいと思うので、少しだけヒントを書きたいと思います。

---------------------

計画編ヒント

その1:見に行くラウンドを3ヶ月前には決めておく

旅行の成否を決める一つの肝はある程度ちゃんとした計画を立てることです。モータースポーツのイベントが開催される場所は、普段はごく目立たない町や村であったりします。そのため、直前にその町で宿を取ろうと思うと案外無かったりします。宿と移動手段はきちんと考えたほうが良いので、その前段階として、行くラウンドは3ヶ月前には決めておくことを推奨します。
3ヶ月前に到着日・帰国日だけでも決めてしまえば、多くの航空会社で早割などで航空券が安く買えてお得です。また、その2の内容に関係しますが、日程を決めたらレンタカーは早めに予約しておきましょう。会場近くの空港前の車など、会期直前になるとラリー関係者が借り尽くしてしまっている可能性があります。AVISやSIXTなど、日本にいながらWeb予約できて便利です。

その2:レンタカーを使う

とにかく移動がらみや宿選びの制約が激減します。電車は、いちいち電車の運行スケジュールや駅の位置、徒歩で移動可能な範囲内に宿を取らなければいけない、またはタクシー…など、考えなければいけないことが山積みになりますが、レンタカーならドア・トゥ・ドアです。観戦していて予定がずれることや、急遽観光に行きたくなることはよくあることなので、フレキシブルな移動手段があると嬉しいものです。
公共移動手段を使う旅行の場合、街中に宿をとらないと不便、ということで宿代が高くなったりしますが、レンタカーなら田舎の安いB&Bでも大丈夫。観光ガイドに1行しか触れられていないような村に泊まるのも面白いです…あまり辺鄙な村だと、まったくネット環境が無かったり、キャッシュディスペンサーが無かったりして少し不便ですが、それもまた良い思い出になります。
唯一つ、国際免許だけは忘れずに取得を。1年で期限が切れるので、前取った人は期間を確認してください。なお、国際免許は日本の免許を持っていれば誰でも取ることができますが、行き先の国やレンタカー会社によってはレンタカーを借りるのに年齢制限(23歳以上、21歳以上など)が設けられているので、事前に要確認です。

その3:モータースポーツ好き・車の運転OK・地図が読める友達を誘う

観戦に限らず、旅行の楽しさを決める大事な要素に「誰と行くか」というのがあります。
まず、 モータースポーツ観戦旅行では、まったくモータースポーツに興味のない友人を誘うと、お互い気を遣うことになって疲れてしまうことが予想されます。逆に、同じ趣味の友人が一緒にいると、楽しみが倍になります。なので観戦がメインの旅行なら、モータースポーツのファンという条件は外してはいけないと思います。
後の2つの要件ですが、これは貴方がどちらにも自信があれば必ずしも必要ではないです。ただ、慣れない場所でのドライブは疲れるものなので、できれば交代できる相手が1人はいると心強いです。また、迷ったときなど心細くなるので、相談できるナビゲーターがいるのはやはり頼もしいと思います。

---------------------

さて、長くなってしまいましたが計画編ヒントは以上です。今度、準備編のヒントを書きますのでお楽しみに
ヨーロッパにラリー観戦に行くには最低1週間は休暇がないと辛いので、勤めていると難しいかもしれませんが、ハネムーンなど長期休暇が取れるときや大学生の間など、ぜひチャンスをつかまえて、1度、海外ラリー観戦に行ってみてください。日本では味わえない独特のムードは、貴方を一層ラリーファンにしてしまうと思います。
観戦の際は、スズキのサービスサイトに気軽に遊びに来てください。そして、選手と一緒に写真を撮ったりサインをもらったり、目一杯楽しんでください!!


 
           




Copyright (C) 2007 SUZUKI SPORT. All rights reserved.