ヒルクライムは自動車産業の黎明期からあるモータースポーツ種目の一つです。 山頂を目指し、ドライバーが己のマシンを駆ってひた走るこの競技は、シンプルで荒削りですが、だからこそ人を惹きつけます。
世界で一番大規模で有名なヒルクライムイベントは、アメリカのコロラド州、パイクスピークの観光道路を舞台に開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム―通称レース・トゥ・ザ・クラウド―でしょう。
1911年から始まるインディ500に次いで、単一シリーズとしては世界で2番目の歴史と伝統を誇っているこの競技会が創始されたのは1916年。途中第2次世界大戦による中断をはさみながらも世界各地から腕自慢の挑戦者を集め、今日最も注目されるイベントに成長しました。
標高4311mのゴール地点に向かう約20kmのコース。スタートとゴールでの高低差は実に1400mを超えます。 スタート地点からは見えないゴールを目指して、厳しい高地特有の天候やスリッピーでラフな路面と向き合い、驚異的なタイムをたたき出すドライバーたちの真の挑戦相手は、他のドライバーなどではなく、パイクスピークの頂そのものなのでしょう。
この究極の挑戦に魅せられた1人の日本人がいました。そう、 モンスター田嶋こと田嶋伸博です。 今年2007年は、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが85周年を迎え、またモンスター田嶋にとっては、その頂に挑みはじめて20年目の節目に当たる、という年です。この特別な年に、モンスター田嶋とスズキスポーツは、過去の記録を破る、というただそれだけを目標に再びコロラドの土を踏みました。
練習日を経て、いざ本番。 モンスター田嶋はついに、パイクスピークの歴史に新しいタイムを刻みました―。
このページでは、公式レポートとは視点を変え、パイクスピークの現場の熱気、周りを取り囲む大自然の美しさなどを、スタッフのスナップショットで綴ります。 実際に観戦に行った気分で、パイクスピーク観光をお楽しみください!
同じく崖にて。人一倍勇気のあるモンスター田嶋がまさに崖のふちぎりぎりに立っているのにご注目!一歩間違えたら…。高所恐怖症には恐ろしいスポットです。
アッパーセクションのプラクティスにて。まだ夜明け前です。だんだん下のほうから太陽が昇ってくるのを感じつつ疾走。丁度スピードの乗る部分で、だいたい200km/h以上出ています。上っていると、前方下側から太陽に照らされるので、非常にまぶしく、前を向いて運転できません。サングラスを掛け斜め前を見てレッキで得た情報と勘を頼りに走ります。