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第89回 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム
モンスター田嶋、遂に10分の壁を破る9分51秒278を叩きだし6連覇を達成!

イベント詳細レポート


 

 

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2011年6月26日、この日はモータースポーツ史において新たな金字塔が打ち立てられた記念すべき日となった。アメリカ、コロラド州で開催される世界最大のヒルクライムレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」において史上初となる9分台のタイムが記録され、世界記録が更新されたのだ。

パイクスピーク・ヒルクライムには、長く「10分の壁」が存在してきた。これまで、そこに最も近づいたのは、2007年、モンスター田嶋による10分01秒408というタイムだった。それから4年、遂に「10分の壁」が破られた。この偉業を達成したのは、King of the Mountain = モンスター田嶋。チームGoProモンスタースポーツwith BCを率い、自ら育て上げたレーシングカー、モンスタースポーツSX4パイクスピークスペシャルを駆って遂に壁を突き破り、同時に前人未踏の6連覇も達成した。

来年からはコース全体が舗装路になると言われており、それが実現した場合、ダート路面を含むコースでは最後の記録となる。この記録は、クラシック・パイクスピークのコースレコードとして永遠に刻み込まれるだろう。





King of the Mountainの称号を持つモンスター田嶋とチーム全員で勝ち取った勝利。
しかし、それは容易に達成されたものではなかった。

モンスター田嶋が1988年に初めてパイクスピーク・ヒルクライムへの挑戦を始めてから23年。しかし、いまだもってコロラドの大自然は挑戦者の前に厳しく立ちはだかった。

プラクティス1日目はドライブシャフトにトラブルが発生。この年初めてパイクスピークを走る大事な初日だが出鼻をくじかれる結果になった。さらに、今年舗装化されたトップセクションを走行するプラクティス2日目にはクラッチトラブルが発生し、わずか1回の走行に止まった。舗装路が増えた事もあって駆動系への負担が集中したことが主な原因と考えられるが、想像以上の負担の大きさはチームに大きな試練を与えた。

一方、タイヤとサスペンションは、非常に感触が良くタイムアップに大きく貢献した。いかに舗装路が増えたとはいえ、舗装路だけを重視したセッティングではダート部分をまともに走ることはできず危険ですらある。KING SPRINS によって製作された2種類のスプリングを組み合わせたサスペンションは、トラクションとコントロール性に優れ、また、HRE WHEELS P43S TAJIMA SPECIAL 超軽量鍛造ホイールに組み合わされた FALKEN ZIEX S/TZ01 は、このコースに抜群のマッチングを見せた。

プラクティス3日目は練習走行であると同時に予選も兼ねている大事な1日だ。パイクスピーク・ヒルクライムにおいては、予選結果が重要な意味を持つ。なぜなら、トップクオリファイヤーには出走順を自ら選択する権利を与えられるからだ。これは、天候や路面状況の変化をみながら、最もタイムの出る路面で走れるという事になる。モンスター田嶋は、この日、これまでの2日間の不調が嘘のように快調に走行を重ね、ライバルを圧倒する速さで予選トップタイムをマークした。

迎えた決勝。コロラドスプリングスの空は晴れ渡り、パイクスピークが穏やかな表情を見せた。毎年のようにエントラントを悩ませる天候の急変もなく、モンスター田嶋は4輪車カテゴリーの終盤、タイムアタック2WD/4WD部門の次にスタートした。

予選の快調さそのままに、コースを駆け上がるモンスタースポーツSX4パイクスピークスペシャル。中間地点でも好タイムがアナウンスされ、期待が高まる。唯一、山頂付近に吹く強風が心配された。過去、モンスター田嶋は強風によって一時的に発生した強力なダウンフォースによって車体底部を路面に打ち付け、マシンの破損によってタイムを大幅に失った経験がある。幸いにもこの日はそのようなことは無く済んだ。

順調に事を運んでいるかに見られたフィニッシュまで約1kmの地点で、遂に最後の試練が訪れた。パワーステアリングにトラブルが発生し、ステアリングのパワーサポートが失われてしまったのだ。コースアウトしかねない危険な状況であったが、ステアリングを力で押さえ込み、2か所のヘアピンと2か所の高速コーナー、1か所の中速コーナーを走り切った。さらに、フィニッシュラインを通過した時点ではエンジンがオーバーヒートしており、巻き散らされた白煙が、田嶋を待ち構えた多くのメディアを驚かせた。

今大会は、主催者によってインターネットを通じて全世界へ中継されていた。全米・欧州そして日本で、多くのファンが注目する中コールされたタイムは、9分51秒278!この瞬間、遂に10分の壁は破られ、パイクスピークに関わる全ての者が描いた夢は達成されたのだ。



モンスター田嶋 コメント

「今年は二つのミッションを達成すべく2011パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムへ挑みました。一つ目は6連覇と自分自身のワールドレコードの更新。もう一つは”Pray For Japan” “がんばろう日本”のステッカーをレースカーとヘルメットに貼り付け、レーシングスーツにも縫いつけて走り、私がレースで頑張ることで多くの被災者の方々に元気を送りたい、そう願って参加しました。
その結果、チーム全員の力を結集して多くの難関を乗り越えて見事記録更新ができました。その様子を見てアメリカの参加者やファンの方々からも沢山の義援金や温かい励ましの声をいただきました。今回用意したチャリティTシャツもあっという間に売り切れ、また“がんばろう日本”ステッカーも参加者の車に貼られました。多くの方々の善意を乗せて走ることで今回のミッションは達成できたと感謝いたしております。本当に有難う御座いました。」





リザルト(アンリミテッドディビジョン)

Pos
Driver
Veh #
Finish Time
1
Nobuhiro Tajima
1
9:51.278
2
Rhys Millen
67
10:09.242
3
Jean Phillippe Dayraut
3
10:17.707
--
Dave Carapetyan
959
DNF
--
Paul Dallenbach
98
DNF



パイクスピーク・ヒルクライム 公式サイト
http://www.usacracing.com/ppihc/




 


 
 
 

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