6月27日 日曜日、決勝レースを迎えました。昨日の雨が嘘のように晴れ上がりましたが、私の心配は路面状況でした。決勝当日は下見をできないため、走りはじめないと路面状況が分かりません。しかし、昨日の状況から良くなっていないのは確かでしょう。
私には、出走順を決める権利がありますので、前走車が路面をクリーニングしてくれるよう期待して、アンリミテッドクラスの出走順をなるべく遅く、しかし、午後からは雨が降ることが分かっていたので、ぎりぎりの出走順を選びました。
トラブルでレースの進行が遅れる中、なんと、ストームが事前の予想よりも早く訪れることが分かりました。路面が濡れてしまえば、ここまで積み上げてきたものが全て水の泡になってしまう!急遽スタート順を変更し、アンリミテッドクラス内で最初に出走することにしました。
そして、いよいよスタートラインへ。タイヤの温度、マシンの調子、路面状況、そして天候と、あらゆることが頭の中によぎります。
集中力を極限に高めるなかスターティングフラッグが振り下ろされ、マシンに鞭を入れる。
走り始めてしばらくすると、やはりグリップが若干落ちているのに気が付いた。しかし、気持ちは前へ前へ。滑りやすい場所もあったが、かなりプッシュしました。
コース半ばも過ぎてトップセクションの始まりとなる辺りでは、舗装にグラベルが乗った所で予想以上に滑り、車体の半分がコースオフしかけた!しかし、アクセルはゆるめず全開、タイムロスは最小限だったはずです。
そして、フィニッシュラインを通過!ミスしたコーナーはひとつだけ、私なりには十分満足のいく走りをすることが出来ました。
コースオフしかけた際に、車体後部に取り付けていたトランスポンダーが外れてしまっていたため、バックアップのシステムからタイムが出るまでに少し時間が掛かったが、告げられたタイムは 10分11秒490。
10分切りを半ば確信していたために残念であり驚きでもありましたが、昨年よりも4秒速いタイムですし、路面状況を考えれば悪いタイムではありません。2位のポール・ダレンバック選手に約30秒、3位のリース・ミレン選手には約1分もの大差をつけての5連覇です!
10分を切ることはできなかったものの、昨年以上のタイムを叩き出した激走に賞賛をいただき、また、皆が5連覇を喜んでくれました。年に一度だけフルコースを走ることができるパイクスピークで、連覇することがいかに難しいか、見ている人たちは皆分かっているのです。
5連覇という、継続的な素晴らしい結果を残すことができたのも、良いタイヤを用意してくれたファルケンタイヤとスポンサーの皆様、そして、完成度の高いマシンを用意し、私の気持ちを理解し支えてくれたスタッフのおかげです。
ちょうど決勝の日が私の誕生日(60歳の還暦)とあって、多くの方々から祝福を受けて本当に忘れられないレースとなりました。これからも元気で一生懸命頑張ります。引き続き応援よろしくお願いします。
チームモンスター with BC
田嶋 伸博
第88回パイクスピーク・ヒルクライム 結果
Unlimited Division
ドライバー ネーム |
車両 |
タイム |
田嶋 伸博 |
Suzuki SX4 |
10:11.490 |
ポール・ダレンバック |
Chevy |
10:39.534 |
リース・ミレン |
Hyundai RMR JE09 |
11:06.208 |
PPIHC web site >> |