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オイルに付いている表示の意味を教えてください?

-エンジンオイル

容器に『10W-30 SJ』のように記入されている場合...

『10W』は低温時の粘度を示す番号です。通常『10W』程度を使用していただければ問題ありません。 寒冷地で使用される場合は『10W』より『5W』を使用すると、低温時にオイルが柔らかく エンジンが回りやすいためエンジンの始動性がアップします。

『30』は、オイルが100℃の時の粘度を示す番号です。NA車では『30』、ターボ車で『40』等を使用します。
大きな数字になるほど高温時でも粘度が高く油膜切れが起きにくいオイルとなります。 ターボ車でスポーツ走行する場合は、タービンからの熱も含めエンジンの発熱量も大きいため、高温域で 粘度が確実に確保できる数字の大きなオイル(高粘度)が必要となります。
NA車の場合はオイル粘度を高くしすぎると、オイルの粘度により摺動抵抗が増えロスが大きくなることがあります。

『SJ』は、品質・性能等を示す記号です。 アルファベットが進むにつれ高品質となります、通常のNAエンジンであれば『SG』・『SH』以上をご使用ください。 ターボ車の場合は『SJ』のオイルを使用してください。

 

-ギヤオイル

容器に『75W-90 GL-4』のように記入されている場合...

『75W』は低温時のオイル粘度を示す番号です。

『90』は高温時のオイル粘度を示す番号です。

『GL-4』は、品質及び、性能(ギヤにかかる圧力)等を示す記号です。

数字からエンジンオイルより粘度が高く思われますが、粘度で言えばエンジンオイルでいう12W-50に相当します。 これは、エンジンオイルとギヤオイルとでは粘度番号が異なるからです。




どんなオイルを使えばいいですか?

-ターボエンジン

『ターボ車用』と表示されたオイルをお奨めします。『ターボ車用』オイルにはスラッジが発生しにくい成分が配合されており、ターボの軸受けや配管にスッラジが堆積することを防ぎます、それらによりターボの耐久性を確保することができます。
『ターボ車用』でなかったり交換時期を過ぎたオイルを使い続けると、軸受けや配管にスラッジが堆積し 流れるオイルの量と圧力(油圧)が低下し、ターボの軸受けが磨耗しガタがでます。 ガタがでると、過給圧がかかりづらくなったり、白煙を噴きます。

なおモンスタースポーツ扱いの競技用ターボチャージャーに交換した場合、粘度は『5W-40』をお勧めします。エンジン始動直後にオイルが回りやすく、ターボ軸受の" 油圧が早く上昇するため安全な上、タービンが高速回転中もオイルの粘性が高く油膜が確保できます。

なおターボエンジンに添加剤は使用しないでください。オイル添加剤やモリブデンがエンジンオイルと 混合するとオイル本来の性能や機能が低下したり、粘度が変化する恐れがあります。


-NA(自然吸気)エンジン

車両の説明書が基本になりますが、 条件や環境によって、寒冷地であれば低温時の粘度番号を『10W』から『5W』へ下げたり、 スポーツ走行を頻繁に行うようであれば、高温時の粘度番号を『30』から『40』へ上げたり、走行に合うオイルをお選びください。


-ギヤオイル

車両の取扱説明書を基本に、環境や、走行条件に合わせて、最適な使い方を考える必要があります。 スポーツ走行が多いのであれば、同じオイルでも交換のサイクルを短くして、ギヤを良い潤滑状態に保つ必要があります。

LSD装着車はギヤの発熱が大きくなりますので、高品質のオイルを選びたいですが、粘度が高くなると、 LSDのクラッチディスクの隙間にオイルが入りづらくなって、潤滑不足が生じ、低速での旋回時に異音が発生 したり、磨耗することがあります。 スポーツ用途とはいえ、あまり粘度の高いオイルはお奨めできません。

ギヤオイルは、高い荷重からギヤを保護する要素と冷却する要素、そしてLSDの作動を補助することを高次元でバランスしたものを選ぶ必要があります。




ギヤオイルはエンジンオイルに比べ交換時期が長いですが
メーカーの推奨する交換時期でいいのでしょうか?

自動車メーカーは、通常使用されるであろう走行条件よりもさらに厳しい試験を行い、それを基に推奨する交換時期を定めていますので、通常走行のみであれば推奨する交換時期で問題ありません。 しかし、走行会に参加したりスポーツ走行(素早いシフト操作を多用)を頻繁に行うことまでは考慮されていません。その場合は3,000〜5,000km(エンジンオイルと同時)での交換をお勧めします。

ギヤオイル交換時には、排出するオイルをきれいな受け皿に取り、金属粉の量を点検してください、ギヤの異常を確認 する手段になります。シンクロや各ギヤを保護するためにも早めの交換と金属粉の確認をお勧めします。